2020年11月

移ろい

団栗が 屋根を転がり 秋を知る

虫の音に 木枯し騒ぐ 季となり

逝く秋に 一重の虫は 嘆き鳴く

この夜は 凩そろりと 忍び来て



霜月

カサカサと 山の夜歩く 落ち葉かな

盃で 飲み干さんかな 星の海 

冬立てど 日々の温もり 妖しくて

この里に 冬連れ来たと 鶴の声

夜鳴きらが 凍えて呼ぶは 誰の名ぞ


星の海


宇宙(そら)人の戯れに
原人我は浮かれて踊る


悠々自適

名を求めず
欲を追わず
血に頼らず
知に溺れず
悪に寄らず
夜に溶けず
無我の宙に
今宵も眠る
安らぎかな



歳の暮れ

老い人は
日々に迷いて
山の夜
如何な夢らに
暖を取る



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