2020年06月

6.29

一寸に 満たぬ小いさき 草丈で
わが足縛る 名知らぬ花よ


深山には 柵の無き 自由らが
梢に遊び 草間に寝居る


愚か身が 日々に迷って 闌れ道
帰りも出来ぬ 昨日を歩き



我が生涯 海と戦い 地に挑み
空を翔けんと 夢見て泣いて


今日もまた 山中に在る 野生爺
小鳥や風と 自由に遊び


文明の 利器もたまには 必要(いる)けれど
概ね古代に 溺れて生きて


錫杖に 寝惚け猪 我へ来て
蹴り飛ばされて 眠りの覚めて
普通は錫杖の音から逃げるのですけど、
たまには向かって来る兵(つわもの)もいます。
その時には、私に蹴られるか、私の足が空を蹴って
私自身がひっくり返るか…の、どちらかです。
因みに過去四回の突進で、二勝二敗の成績です。

6.26


山頂を うろうろ歩き 樹上(うえ)探しゃ
着生欄は 靄に隠れて


富貴なる その香探して 木立闇
猟犬真似て 高鼻取るか 

ここう(言葉遊び)



孤高を願う身が
戸口を守らんと
虎口と対峙せば
股肱の働きあり
糊口の日々脱し
五更安眠ならば
後光拝みて候や
かなり無理がありました。

靄(もや)


降る雨と 世間を隠す この靄よ
我の周りの 柵も消せ


靄の中 為せぬ為さぬで 日も暮れて
先延ばしする あれやこれや哉


日常が 靄に囚われ 牢暮らし
許され居るは 酒酌むだけよ



ホトトギス


夜もすがら 欠けた欠けたと ホトトギス
いったい何処の 何が欠けたぞ

日もすがら 欠けた欠けたと ホトトギス
そなたのせいで お日さま欠けた



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